【アクアリウム・水草水槽】ミスト式水槽の正しい立ち上げ方【パネルヒーターで根張り促進】
水草水槽を立ち上げるに当たって、もはや常識のミスト式栽培。
この記事ではミスト式での正しい立ち上げ方について書いてます。
「ミスト式栽培」「ミスト式水槽立ち上げ」とは?
ミスト式とは、
水上葉の状態で、ある程度水草を育成してから、注水する方法です。
海外では「Dry start」と言われています。
ミスト式で水槽を立ち上げるメリットは?
経済的コスパが良い。
少ない量の水草でもそれなりの量まで殖えるので、初期投資額が少なく済みます。
ミスト式は育成が簡単。
ミスト式は、水草とソイルと水と光。
これだけあれば誰でもできます。
ミスト式は失敗が少ない。
水槽の立ち上げ初期には水草が養分を吸いきれず、
ソイルの養分で過栄養状態になり、水草が苔たり、溶けるといった事があります。
あらかじめ水上である程度育ててしまう事で、
立ち上げ時の失敗が少なくなります。
ミスト式は成長が早い。
ミスト式で立ち上げると、水中での成長も早い!!
理由は、しっかり根張りが完了している為です。
水草には水中での姿(水中葉)と水上での姿(水上葉)があります。
いずれの状態にせよ、まずは根張りです。それからランナーや新芽が出て殖えていきます。
水中で育成を始めると、根張りが完了するまでに古い葉が苔に侵食されたり、環境適応できずに溶けるというデメリットもたまにあります。
水上で栽培しておけば、根張りは完了しているため、いわゆる増殖スイッチが入った状態から水中栽培を始める事ができます。
ミスト式の注水のタイミングは?
ミスト式の注水のタイミングですが、根張りが完了すればOK!!
ある程度、ソイルを覆ってからの方が、コケも発生しにくいとは思いますが、根張りが完了していればミスト式の目的は達成です。
水槽側面からヒョロヒョロと根が張っているかどうか確かめましょう。
注水時に古い葉があったらカットしておきましょう。
ミスト式におすすめのLED照明
水上栽培にも、水中水草育成にも適した、ミスト式におすすめのLED照明を紹介します。
Ra値が高い照明を選ぼう!!
Ra値が高いほど太陽光に近い波長となるので、水上葉の育成にも適しています。
水草育成の場合でもR a値が高い程良いです。
LEDの性能はどのメーカーも状態なので2024年時点ではどのメーカーの何を買っても大体の水草は育ちます。
コトブキ フラットLEDツイン 3040 4050 600
コスパ最強!!安くて性能もまあま。そしてスリム。
演色性:Ra87
全光束:1750lm(45cm用)2550lm(60cm用)
色温度:8500K
現在、フラットLEDにはスリムタイムのSSと6パターンの調光ができるハイラインHLがあります。
アクロ TRIANGLE LED GROW Pro 600
通称「おにぎり」と言われているアクロトライアングルGROWのPro。
Proにも45〜90cmモデルが登場。
お値段は2万円程(税込)と高めですが、超高性能。
色温度:7500K
平均演色性:Ra92
全光束:8900lm(4450lm×2モジュール)
※60cmモデルの場合
アクロ TRIANGLE LED GROW 300 450 600
こちらはノーマルタイプ。というよりProが超高性能というだけで、
GrowタイプはRa値が高いので水草も十分育つ。1万円ほどでお手頃価格。
色温度:7200K
平均演色性:Ra93
全光束:3000lm(60cm)2000lm(45cm)1000lm(30cm)
GROWは高演色(Ra値が高い)ので水草用として購入する場合はGROWにしましょう。
ADA アクアスカイRBG 60
60cm水槽用のアクアスカイRGBが発売されました。
照度(10cm直下) : 約23000 lux
色温度: 約9,000~12,000K
Ra不明ですが90以上はあるのではないでしょうか。
価格:36000円(税別)
※30〜45cm水槽の場合は、アクアスカイ改良版のアクアスカイGがおすすめです(終売?そろそろ新製品が出るかも?)
BARREL NEO AMATERAS LED・NEO TSUKUYOMI LED
現在複数シリーズ展開されていますが、
20Wの改良モデルがネオアマテラスとネオツクヨミです。
スサノオもありますが、こちらは10W26E口径で補助灯的な窓辺の光と併用する感じです。
植物育成用のLEDです。なんとRa97!!ほぼ太陽光
アマテラスの名に相応しいスペック。
電球タイプなのでE26口径のソケットを使用すればどの水槽サイズにも適合します。
色温度:約5900K
全光束:2098lm
平均演色評価数:Ra97
E26口径 消費電力20W(10Wタイプもあります)
ツクヨミ(TUKUYOMI)もRa97。
※アマテラスの方が白っぽく(電球本体はブラック)、ツクヨミの方がやや黄色っぽいが暖色系というわけでは無い。(本体はブラック・ホワイト・ゴールドエディションの3種)。
ツクヨミの方が赤波長が強いので有茎草の赤系を入れたレイアウトに映えると思います。
アマテラスは濃い緑の前景やモス、青系の龍王石や砂を使ったクールでフレッシュなレイアウトに良いかもしれません。
ミスト式におすすめの水草
ミスト式の立ち上げにおすすめの水草を紹介します。
①ミスト式水槽におすすめの前景草。
ミスト式に適した水草は主に前景草として使う水草です。
前景草は葉の丈が低く、ソイルを覆いつくすように茂らせて水草の絨毯を作る目的で使う水草です。
水草絨毯だけのレイアウトでも十分な魅力があります。
おすすめの前景草は、
- ニューラージパールグラス
- コブラグラス
- ヘアーグラスショート
- キューバパールグラス
- グロッソスティグマ
- ウォーターローン
など、脇芽やランナーを伸ばして増えていく水草たちです。
混ぜてレイアウトしても各々の根が絡み合って浮きづらくなるのでウォーターローンやキューバパールはコブラグラスやニューラージあたりと何かを混ぜると長期レイアウトする際に浮きづらくて良いです。
ニューラージパールグラス
ダントツで難易度が低いのが、ニューラージパールグラス。
水中化してからも光量もそれほど必要ではなく、CO2さえ添加すれば容易に密な絨毯になります。
コブラグラス
コブラグラスにはモーリシャスとブラジリアンがあります。
両方持ってますが、殖え過ぎて混ざってしまい自宅のは判別不可能です。
スイッチが入るとこちらも成長速度が早いです。
ソイルオンリーだとコケる事がありますが、砂を混ぜて硬度が高くした方が殖やしやすい傾向があります。
砂地でも構わず匍匐して殖えて、光量もそれほど要求しないので陰性レイアウトにも向いており、
また水上栽培でもどんどん殖えます。
クリプトコリネやラゲナンドラを植える際には水苔の代わりに根っこに巻き付けて植えてます笑
ショートヘアーグラス
ショートヘアーグラスはCO2添加、そこそこの光量や窓辺の木漏れ日があれば綺麗な絨毯になります。
シンプルな芝生レイアウトに熱帯魚を泳がせても映えて綺麗です。
とても丈夫なので低温にも耐え、外の池で氷が張っていても当然の如く冬を越します。
この丈夫さが一長一短で、
水槽内ではCO2添加をやめたり、肥料切れ、光量不足が続くと葉が茶色く枯れてしまします。
枯れても葉が硬く、他の水草のように溶け落ちる事がないのでトリミングして再生させるのが大変だったりします。
硬度の高いソイル水槽で黒髭苔が付いた時も面倒です(これはどの水草でもそうですが)
ウォーターローン
筆者が一番好きな食虫植物かつ水草。
フラット水槽や水流を弱くしたいベタとの相性もよく、
水上化した姿も可愛く花も咲くのでパルダリウム・テラリウムにも使いやすい。
水中での長期維持は難易度高め。
硬度高めで水換え頻度多め、コケに気をつけてCO2添加必須。
やりがいのある水草です。
中景・後景草もミスト栽培は可能
代表的な有茎草のロタラ各種、エキノドルスやクリプトコリネ、シダ系に関しても、ミスト式でも問題なく育成できます。
②水草の種
なんと最近では水草を種から育てられるようになりました。
ミスト式と同じ要領で発芽されて育ててから注水です。
水草の種からの育成もとても簡単ですのでオススメ。テラリウムやパルダリウムにも応用できます。
JUN プレミアムシード
- カーペットプランツ
- ニューロングカーペット
コトブキ NEWプランツシード
カーペットプランツとハイグロタイガーSPはベビーハイグロとも言われ、恐らく同種、もしくは近い種だと思われます。
小型のハイグロです。光量が少ないと葉が伸びます↓
光量がある程度あればグロッソやニューラージ、キューバパールのような前景草として長期維持できます↓
水草の種の注意点を一つ上げると、ハイグロフィラ系は肥料をめちゃくちゃ食うので1年以上維持していると追肥が必須になってきます。トリミングで絨毯の維持が難しくなってくるので、
ベビーハイグロ×ニューラージパールやコブラグラス、ショートヘアグラス等、組み合わせて植栽した方がきれいに維持しやすいです。
ミスト式の立ち上げ方法・ポイント
ミスト式の水槽の立ち上げ方法とポイントです。
手順:
- レイアウト素材を配置しながらソイルを敷く (筆者の場合、アマゾニアor水草一番サンド+イニシャルスティック・カミハタスティック。ADAの魔法の粉少々…)
- 霧吹きで十分湿らせる(水草が水に浸らないように。)
- 水草を植える。
- ラップをする。
- タイマー管理で照明を毎日照射する(LED照明で夜間10~12時間。)
- 1~2週間で注水。(種類によっては〜6週間。注水後はCO2添加必須。)
これだけ守れば間違いなし!!
※ウォーターローンはアマゾニアライト等の肥料が少ないソイルで肥料は入れない方がよく、液肥で調整する場合はその他の前景草でも固形肥料は不要です。
おすすめの根張り促進術㊙︎パネルヒーター
ミスト式立ち上げのポイントを踏まえた上で根張り促進術を紹介。
注水後もこれで管理できるので見た目もスッキリしておすすめです。
爬虫類用の底面パネルヒーターを使う
爬虫類用のパネルヒーターを使います。
使用するのは、こちら↓(後述する加工面の事も考えて)
爬虫類用のパネルヒーター“みどり商会のピタリ適温プラス”を使います。
30㎝~36㎝水槽用(2号 本体:22×25㎝)
45㎝水槽用(3号 本体:42×22㎝)
60㎝水槽用(4号 本体:55×25㎝)
20㎝水槽用(1号 本体:15㎝×18㎝)
底面パネルヒーターを使用するメリット
- 根張りを促進できる
- 注水後も投げ込み式のヒーターやインラインヒーターが不要になること!! (夏場等の暑い季節はコンセント外すだけ!
- 室温が低い冬場でも常に一定以上の温度をキープしてくれます。
加工方法
コード接続部分に凹凸があります。
水槽マットを切り抜き、ベニヤ板を彫刻刀で接合部の凹凸が干渉しないよう彫りこみます。
(アクリルや塩ビ板をアクリルカッターでくり抜いても良いですが、熱伝導的に水槽台側の温度が伝わりにくい木のほうがいいとは思います。)
裏返しの状態でセットして完成。
ガラス部分とマットの設置面積が減ることで滑りやすくなるので、
事故防止のためにも両面テープで固定しましょう。
これでミスト栽培中も加温でき、注水後も配線回りもスッキリできます。
アクアリウムはもちろん、
ビバリウムやコケリウム、メダカにもイモリにも^^
といった感じで水草ミスト栽培の方法、立ち上げ方でした。
ミスト式で立ち上げさえできればパルダリウムも簡単にできます。
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